デブ女を求める男性の存在

キレイなオフィスでの面接前回からの続きになるが、ぽっちゃり女優が所属するAVプロダクションに応募した私は、担当の人と面接をすることになった。

実際に会社まで出向いてみると私が抱いていたイメージとは全然違っていた。
アングラで怖そうなイメージとは程遠く、清潔な社内にきちんとスーツを来た担当の方、受付には女性がいて普通の会社のような印象を持った。

私はきちんとした会社で働いたことがなかったし、その印象もどこかのドラマか何かで見たイメージでしかなかったが、「思っていたよりもちゃんとしているのだな」と素直に思ってしまった。
面接をしてくれた担当の方は広報も兼務している方のようで、まず業界の話をしてくれた。
この会社は、ユーザーのニーズに合わせた作品の撮影に対して、それに見合った女優を派遣しているようで、今回はぽっちゃり女優をメインとした撮影が増えてきたため、あの風俗の求人サイトに募集広告をだしたそうだ。

その背景として担当の方が説明してくれたのは、「世の中にはぽっちゃり好きの男性が確実にいる」ということ。
そういった性癖を持った男性は、スレンダーな女性や、プロポーションの良い女性には一切興味を持てず、「豊満なボディ」「大きな乳房」「タプンタプンと波打つような太もも」等…そういったいわゆる肉感的な太った体型、つまりはデブな女性にしか興味を示さないことを説明してくれた。
そんな男性の為のアダルトビデオの需要が最近増えてきているそうだ。

しかも、本当の意味でのぽっちゃりから100kg以上の本格デブまでとその幅もかなり広く展開しているとのことだ。
太った女性が出演する 作品は売上も安定しているようで、それならばこの際、このプロダクションでもそんな太った女性を募集してみようという話になったそうだ。

なぜデブなAV女優が求められているのか

私はこんなデブな自分を見て興奮する男性が本当にいるのだろうか?と疑心暗鬼だったが、担当の方いわく、「ぽっちゃりした女性は自分の見た目に自信がない女性が多く、最初は男性に触れられる事に抵抗があるのだが、ユーザー目線で見ているとそんな自信の無い女性が男性と触れ合い次第に乱れて始めていく姿を見るのがたまらなく興奮する」のだそうだ。
そんな側面があるなんて私は思ったことすらなかったので、驚きを隠せなかった。

たまに乱暴にしているように見える映像もあるけど、そういうは全て演技としてやっていて、もし、ひと昔前のようなレイプまがいの撮影をするような現場であれば、モデルを派遣する側として必ず守りますので、心配しないでくださいとも教えていただいた。
そこでわかったのは、アダルトビデオの制作現場ではメーカーもプロダクションも女性の嫌がる事はしないように気を配っているということ。

それに、ぽっちゃりのアダルトビデオで登場する男優も「草食系の男性」と絡むことが多いようなので、荒っぽい内容になることはほとんどないと教えてくれた。

仕事の流れとしては、ビデオの撮影は一日かかることもあるが、複数の女優が出演する場合は一人あたりの時間もそんなにかからず、一回の撮影で10万円程度もらえるのが相場だそうだ。
10万円稼ぐのに普通のバイトなら何回シフトに出るのだろうと考えると、やはり高収入求人サイトと謳うだけあり、アダルトビデオに出演することは高額な仕事なのだと実感した。

処女というもうひとつの心配事

一番不安に思っていたのは、私が処女であることだった。
担当の方にそのことを正直に伝えた所「あなたが納得してビデオのお仕事をするのであればこちらは問題ないのですが、本当にそれでいいですか? 後悔はしないですか?」と逆に念を押して確認をしてくれた。

このまま男性経験がないまま生きていくのも嫌だったし、デブというコンプレックスを抱えたまま、このまま惰性で生きていくのかと考えた結果、自分を変えるなら今しか無いのだと思った。
こうして、私はぽっちゃりAV女優として生きていくことを決断した。
プライベートで好みでもないブサイクな男性と初体験する位だったら、イケメン男優に処女を奪ってもらうのもありなのかなと思ったのも理由の一つではあるのだが。