デブ体型の自分を呪っていた日々
このブログでは、デブの私がぽっちゃりAV女優になるまでの道のりを時系列で更新していきたいと思う。
今でこそ、ぽっちゃり女優であるという自負のある私であるが、当時ただのデブ女だった頃のこと、一人自分の殻に閉じこもり、心に闇をかかえて社会をただ恨んでいたところから書いていきたいと思う。
最初から暗い話になるのだが、私は昔から太っている自分が嫌いだった。
最近では、雑誌やテレビなどのメディアで「今はぽっちゃり女子やマシュマロ女子が人気！」なんて、太っている女性を持ち上げる記事を見かけることがあるだろう。
しかし、実際にはぽっちゃり女子なんて奴はいない。
かわいいニュアンスのイメージの単語を使って言葉を濁しているだけで、結局はただのデブ女でしかないのだ。
そんな記事や番組を見ると、自然と自嘲気味に笑えてしまう。
デブは只のデブだし、それ以上でもそれ以下でもない。
太っている体型にコンプレックスを抱えて今まで自分を呪って生きてきた私がいうのだから間違いない。
そもそも、ぽっちゃり云々を言う以前に私はルックスだってあまり良くはないし、自分に自信が持てないから男性に対しても積極的にはなれなかった。
私はいつだって一人きりで、人に遭わないように、人の視界に入らないように、息を潜めて日の当たらない場所で、いつまでも花を咲かせる事の無い植物のようにひっそり生きてきたのだ。
そんな私の唯一の楽しみは、大好きなお菓子とジュースに囲まれてアニメやゲームに没頭している時だ。
それらに没頭している間だけは自分がデブであることを忘れられる。
しかし、ふと暗転時に画面に映る自分を見てしまうと、劣等感のカタマリの私は画面に映る醜い自分を見るたびに自然と涙が出ていた。
学生の時は、露骨にイジメられる毎日で、同じクラスの人間からは「デブ菌が伝染る」「汗臭いから近寄るな」と、ネガティブで残酷な言葉の刃が私の心をえぐるように削りとっていく日々と戦っていた。
高校を出て社会に出てからは、それらのイジメは直接的ではなくなってきたが、それでもリアルな社会はデブでブスな私には大変厳しかった。
例えば同じ内容の仕事を任される場合、細身な可愛い女性と、デブ体型の私とでは同じ女性なのに明らかな評価の差をつけられる。
それに男性が接する態度は、通常の女性と太っている女性では明確に接する態度が違うのだ。
デブはいつだって損な役回りで、この自己嫌悪からも逃げ道はないだろう。
でも、こんな私だってこんなコンプレックスから脱したいと思い努力したことはあった。
しかし、どうしても痩せられなかった。
どうせ、私が痩せたところで誰が気づいてくれるというのだろう、誰が評価してくれるというのだろうと常に頭を過るのだ。
ダイエットもまともに続けられない私は、更に負のスパイラルから這い上がれないままここまで来てしまった。
私はそんな意思の弱い自分が嫌いだ。
どうしようもなく自己嫌悪に陥るのだが、何をするわけでもなく、こうやってマイナスな思考を植え付けられたまま、毎日をダラダラと過ごしていくのであった。
毎日が陰鬱として「自分なんて世の中には必要とされていないのだ」と自暴自棄な思考で何をするのにも嫌気がさしていた私は、仕事だってまともに続いたことがない。
高卒で就いた職場では、ある程度の期間は勤めていたのだが、他人の自分を見る視線が日に日に嫌になり2年もしないうちに辞めてしまった。
その後は日雇いの仕事を点々としたり、時には無職になったりと不安定な期間を過ごしていた。
そんな生活を続けていては収入だって安定はしない。
それでも、人一倍お腹は空くので、食費だってその分かさむ。
いっそ、このまま何も口に入れなければ、こんな体型ともおさらばできるのじゃないか？と都合の良い事を考えてしまう。
けれども、やはりお腹が空くと陰湿な気持ちは更にストレスを生んでいくので、余計に食べ物を欲してしまうのだ。
空腹を満たすために私は仕方なく手っ取り早くお金を貰える仕事を探そうと求人情報を探してみるが、日払いでもらえるような仕事はうさんくさい仕事か体力仕事ぐらいしかない。
それならばと、高収入を謳う女性向けの求人情報も見てみるが、私みたいに太っている女性はきらびやかなドレスを着るキャバクラで働くのなんて無理だ。
風俗にしても男性経験が一度もない処女のデブでブスな女を雇おうなんて店は到底無いだろう。
デブを歓迎する求人サイトがあった!?
しかしそんな中、風俗の求人サイトを見ていると処女で性知識の薄かった私は、こんな仕事もあるのだと不思議と興味を持った。
それからはいろんなサイトをしばしば見るようになった。
そんな時だ。
ぽっちゃりやデブ体型を歓迎していると謳う求人サイトに出会ったのだ。
そんな私のためにあるようなサイトなんてこの世に本当に存在するのかと、目を疑ったと同時に、どんどん引き込まれてしまった。
なにしろ私のコンプレックスであった、デブということが必須条件になる風俗求人サイトだったのだから。
そのうち、そのサイトに掲載している数多くの広告から、ぽっちゃり専門のAV女優を募集しているプロダクションに目が止まった。
私はもう落ちる所まで落ちているし、どうせその先は見えている。
アダルトビデオに出たところで誰にも気づかれることでもない。
そんなことより、体力仕事でもないのに高収入にありつけるかもしれない。
自暴自棄な私は何を思ったのか、そのAVプロダクションに応募をしてしまったのだ。
私は男性が苦手だから、アダルトビデオなんてまともに見たことないし、それこそ私みたいな女がレンタルビデオ屋でアダルトビデオを借りているのを見たら店員だって笑いをこらえるのに必死だろう。
アダルトビデオの内容もVシネマにでてくるような暴力的なイメージしかできない。
処女の私がそんなアダルトビデオに出ようと思うなんて実に滑稽な話だけど、私は自分をどん底まで落としてみたかったのだろう。
どうせ私の応募はスルーされ今までの日常に戻るのだと思ったその時、なんと、その応募したAVプロダクションから返事が来た。
しかも、「実際に会って面接をしてみましょう」という話になったのだ。
この時、自暴自棄で自分の置かれている状況を理解しきれていない私は、その面接を機に自分を取り巻く環境、自分自身がこれからめまぐるしく変わっていくなんて1ミリも想像することはできなかった…。
ぽっちゃり女優への第一歩
いつもの私の思考回路なら、そんな上手い話はない、応募したら変な話を持ち掛けられて、逆にお金を巻き上げられるのではないかと考えていたと思う。
しかしその時の私が置かれた状況は、明日食べる物も買えない極貧生活状態で、追い詰められた状態だったのだ。
その募集情報に書かれていた日払いで貰える金額は、私が普段する日払いのアルバイトと比べても数十倍の金額で、もうここまで来たら自分でもどうなっていいからお金が欲しかったのだと思う。
しかし、普段お洒落もロクにしないの私は面接に着ていく服は何にしたらいいのだろうか悩んだ。
だって私の持っている服はいわゆる「デブ御用達のビックサイズの服」か男物の服ばかりでデザインはあまり可愛いものを持っていないのだ。
一応自分の持っている服の中でも一番ましだろうと思うワンピースを選んで、普段しない化粧も一応した。
私は自分なりに身なりを整えて、そのAVプロダクションのある場所まで行った。
その会社は駅から少し歩いた小奇麗なビルのワンフロアで、私はもっと雑居ビルの乱雑した場所にそういう会社があるのかと思っていたので、少し意外だった。
そして玄関口の受付では綺麗な女性スタッフさんがいて出迎えてくれた。
アダルトビデオに女優を派遣するようなAVプロダクションでも、ちゃんとした身なりの女性が働いているんだなぁと素直に感心をした。
そしてその後、応接室に通された私は、そこで面接をしてくれる担当の人に会うことになったのだった。